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合唱曲「群青」から見える作曲の必然性


「群青」という曲をご存知でしょうか。

♦混声3部合唱版

♦同声2部合唱版

 さて、この楽曲の作詞は、南相馬市立小高中学校の卒業生のみなさん、作詞は、当時小高中学校の音楽教諭、小田美樹先生となっています。南相馬といえば、震災・津波で大きな被害をうけた被災地です。

 何も知らずに初めてこの曲を聴いた時は、「あぁ、合唱曲ね。」としか思えず、あまりピンときませんでした。しかし、この曲の誕生の経緯を知ってから聴くと、改めて音楽の力を感じずにはいられませんでした。

 合唱教育で尊敬する丸山久代先生は、児童生徒が気持ちよく歌えなくなる心境として3つ挙げていらっしゃいます。

①技術的な問題

②楽曲への共感がもてない

③人的環境

 児童生徒にとっては、どんなに選曲で聴き比べても、楽曲との出合いは、「受け身」となることが多いです。さらに、聴き比べて出た答えは、「絶対」、それとも「相対」どっちだったでしょうか。もちろん部分的には共感することはあってもです。多数決で決まったとしたら、切られた少数派の意見の児童生徒たちの思いは、どうなるのでしょうか。

 この「群青」は、きっと②の共感という部分で、小高中の生徒の「共感」、字のごとく『共に感じてきたこと』が合唱という形になったものと思います。だから、この歌詞に作曲の必然性があり、生徒とこの楽曲との出会いは、「能動」「必然」だったのではないかと推測します。

 自分も、作曲する身として、こんな「必然」「能動」的な出合いを子ども達に味わわられているかと時に責任を感じます。最も、自分のまく種は、5年先、10年先にでも、発芽すればいいかという種でもあります。

 ということで、今年度も、作曲を第一に頑張りたいと思います。


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