去る7月17日に拙作「今、卒業の時!」を指揮指導の長岡先生、ピアノ伴奏高野先生と教育音楽のスタッフの方、レコーディングスタッフの方、八千代少年少女合唱団の皆さんによって録音をしていただきました。
今まで、楽曲を「聴く側」だった者が、楽曲を「提供する側」になり、緊張しました。
正確に言うと、「提供する方のご努力を垣間見た」といったほうがいいでしょうか。
どう演奏するかは、指導者の先生の解釈や、演奏者の技量、スタッフや市場のニーズによってかなり変わってくるもの。
今回、「*ルバートのかけ方」について、録音のお時間を多く頂戴してしまいました。
*ルバート=テンポがゆらぐこと。
CDがもつ価値やねらいとして、
・聴き手に、解釈の1つの答え(先入観)を与える。
・聴き手に、さまざまな解釈の可能性を与える。
相反する両者の性質を併せ持っていると思うのです。
あるレコーディングスタッフの方から、
「この音源は、ルバートが強く、歌い手が合わせづらいのでは?」
とご助言をいただきました。
しかし、子どもは、耳で覚えるプロ!
音楽習いたての子(=小学校段階といっていいでしょう!)、ルバートは、やはり耳で感じ取って、あわせるもの、、、盗むものなのではないかと考え、ルバートを結構かけていただくことにしました。
小学校現場代表として、
「合うまで何百回も聴いて、合わせます。子ども達は、初めに聴いた音源で「ゆらぎ方」を覚えます。初めに聴いた音源がゆらいでないと、ルバートしません。」
と、私が申したところ、スタッフの方は、笑っていらっしゃいました。
私見になりますが、私は、rit.やルバートなどの「ゆらぐ音楽」があることを子ども達にしっかり伝えていきたいなと考えています。
ここに「生きた音楽」があると思うのです。
最終的には、どのくらい「ルバート」するか自分で表現を考えるようになってほしいけれど、まずは、ルバートを知覚する、上手な演奏をまねることも、初歩段階かなと考えています。
最後になりますが、八千代少年少女合唱団のみなさんの、のびやかで明るい発声、歌大好き!という気持ち、さまざまな要求にも柔軟に対応してくださる歌唱技術には、ただただ感動を覚えました。
これからも、学校から曲を発信していこう、子ども達に向けてたくさん発信していこうと決意を新たにした1日になりました。
指導者の長岡先生、ピアノの高野先生、合唱団のみなさん、どうもありがとうございました。
*写真は、「今、卒業の時!」を初めて歌った平成26年度の卒業式当日の朝の写真です。
温かな光が、花道を優しく包み込んでいる1枚。
この曲の2番歌い始めのオブリガートは、こんな「光」のイメージです。