2016.9.9 音楽の授業をつくる会 研修備忘録
- matsunaga makoto
- 2016年9月10日
- 読了時間: 4分
第13回定例会報告。
内容は、粟飯原先生による鑑賞講座でした。
粟飯原先生の教育信念、そして深い教材研究は、ただただ敬服に値します。
1、鑑賞の扱い方について
・鑑賞+表現=20分+25分
・常時活動+鑑賞=15分+30分
・研究授業の場合も、45分鑑賞というのは、集中力が持ちづらいので上記で。
・表現+鑑賞の順序では、子ども達は、のらない。
・1時間目、2時間目、3時間目とちょっとずつ回数を重ねて聴かせることが大事。
2、「威風堂々の教材レシピ
<めあて>
小太鼓の音色に気をつけて、味わって聴く。
<扱う〔共通事項〕>
音色、拍の流れ、強弱
<音源>
Aロッシーニ作曲 「どろぼうかささぎ序曲」
Bリムスキーコルサコフ作曲 「スペイン奇想曲」
C威風堂々(「時計仕掛けのオレンジ」のサントラ版のCDがよくロールが聴こえる)
D威風堂々(希望と栄光の国)合唱の入っているもの
E威風堂々(音楽ブラボーのテーマ曲)ポップス調に編曲されたもの
<1時間目>
(1)、ロールうちをエアー打ちで説明する、エアーでやってみる。
(2)、音源Aを用いて、ロールが聴こえたら手を挙げる。(反応観察法)
(3)、音源Bを用いて、ロールが聴こえたら手を挙げる。(反応観察法)
(4)、AとBで聴こえ方やロールについて、確認する。
「長かった」「違うフェイントもあった(前打音のこと)」など。
(5、音源C(威風堂々)で中間部分を聴き、ロールを知覚する。
① 聴こえたら手を挙げる。(反応観察法)
*ロールまでなかなか聞こえてこないのがよい。
②エアーでロールをする。
*評価Aの子は、予備拍を聴き取っている。終わるタイミングもよい。
③中間部の次を聴いてみる。
*鑑賞中に絶対に指導(話)はいけないというわけではなく、聴きながら多少の指導助言はしてよいのではないか。
*机間巡視しながらよく児童の反応を観察する。
*「どっかで聞いた?」は禁句。子どもの興味関心が飛ぶ。
(6)、違うところを探しながら、聴き比べる。
「違うところが見つかったら指を一本折って数えましょう。」(数字による反応観察法)
・Cの中間部から聴く。
・Cの冒頭から聴く。
(7)、ラララで旋律を歌う。
*名曲は口ずさめないといけない(大橋巨泉)
*部分的にもいつでも口ずさむ鑑賞の活動を。
*教師1対児童1の会話で終わらない、共有する。
(8)、音源D(威風堂々 合唱付き)と聴き比べる。
(9)、曲名を伝える。
<2時間目>
(1)、3つのグループに分かれて威風堂々を聴く。
A歌
Bロールうち
C指揮
*指揮は、へたくそでよい。特に先生は、へためにやってもよい。
*指揮をしながら、速さを確認する。
(2)、音源Eと聴き比べる。
「違うところが見つかったら指を一本折って数えましょう。」(数字による反応観察法)
*歌い分けもよい。ブラボーテーマに聴こえる地声、歌声を使い分けて。
<3時間目>
(1)、CDEの音源の中でどれがよいか考える。
*ちょっと言語活動も取り入れられる。
*最後は原曲に変えるのが、鑑賞の鉄則ではないか。
*鑑賞での思いや意図とは、「自分で価値判断ができる」子
3、ハンガリー舞曲5番
<めあて>
・速度の変化に気をつけて聴く。
・旋律の移り変わりに気をつけて聴く。
*「曲想」は教育用語!?教科書の説明は、子ども達には、理解できない!?
(1)2拍子の指揮をしながら聴く。
「これから聴く曲は、2拍子の曲です。指揮の練習してみましょう。」
「(これから聴く音源とは違う速さでゆっくりめに)1,2,1,2・・・」
「それでは、聴いてみます。」
*鑑賞の意地悪!?わざと違う速さで指揮をすることにより、児童の反応、曲への順応力を見る。
「この曲は、速さがはやくなったりおそくなったりするかもしれません。」(断定しない)
(2)速くなる時には、手を挙げて、遅くなる時には手を下げて聴く。
(3)比較して聴く。
Aピアノ
Bオーケストラ
(聴き比べ)フィラ管 オーマンディ 3分
サイトウキネン 2,47
最速2,05?
*「同じように思った人」友達の意見は、クラスで共有する。
「同じように思った人」専門の子もいる。(自分では発言できない子のために
(4)ラララで主な旋律を歌う。
<2時間目>
(5)構成を知る。 ア イ ウ エ ア イ
それぞれの構成をラ、リ、ル、ロ、ラ、リ、で歌う。
(ア=ラ イ=リ ウ=ル エ=ロ ア=ラ イ=リ)
(6)好きな旋律を1つ選び、その部分になったら立って歌う。
<3時間目>
(7)「ここ好きバロメーター」で聞く。
*教師の大いなる先入観 「好きじゃない」子=評価が低い、「好き」=評価が高い
(8)いろいろな音源を比較して聴く。
4、比較聴取の5つのメリット
(1)楽曲に集中させることができる。
(2)誰もが分かる音源を用意する。
(3)共通事項に気付く。
(4)原曲の良さに気付く。
(5)価値判断ができるようになる。
