今日は、楽譜を作成するPCソフトを比較して参ります。
iPadにも、楽譜作成アプリはありますが、今回は、パスしています。
さて、現在「楽譜作成ソフト」と位置付けて売られているのは、大きく分けて3つでした。
「でした」というのは、この11月で、それが4つになる、ということなのです。
今回は、それも踏まえて、この記事を書いています。
1、〔Finale〕系列
・ 公式URL
・ Finaleの情報収集サイト「Finaleにまつわるエトセトラ」
一番古い老舗ブランド 「フィナーレ」
フィナーレ、アレグロ、プリントミュージックと3つのグレードがあり、下位グレードに行くにしたがって、値段も手ごろになる代わりに書ける楽譜の制約がでてきます。
楽譜を打ち込む方法もいくつかあります。
・マウスで1つずつ楽譜に入力
・鍵盤で弾いたのがそのまま楽譜になる
・文字キーボードで入力
・鍵盤で音高を、テンキーでリズムを入力
いくらか試した結果、赤文字「鍵盤で音高を、テンキーでリズを入力という形が一番速いです。
私は、15年くらいフィナーレを使っていますが、以下写真のように、鍵盤キーボードと接続して以来、楽譜を書くスピードが劇的にあがりました。
その他の機能として
・楽譜が音になる(試しに聴く分には、これ必須)
・楽譜を音源にする(別途音源を買いそろえる必要あり)
・移調
・小節のコピー(作編曲をするときに便利)
・教材の作成(拡大楽譜)
などあります。一方で、弱い、欲しいなと思う機能は、
・画像を伴った楽譜の作成
・階名を一発でさくっとふる機能
・楽譜のスキャニング
などです。弱点は、他のソフトで補えるものもあります。
2、〔sibelius〕
・公式URL
Finaleと用途が同一だが、フィナーレの後発ソフト。
世の中、出版されている楽譜は、FinaleかSibelius、どちらかを使って浄書されているそうです!
ですが、フィナーレとは、操作感が、結構別物らしいのです。
「らしい」というのは、私はこのシベリウスを使っていませんので、何とも分かりません。
ただ、シベリウスのいいところは、直観的な書き方ができる、、、だそうです。
しかしなぜ、数ある作曲家から「シベリウス」を選んだのか、、、それが気になるところですが(笑)
3、〔スコアメーカー〕系列
・公式URL
こちらは、日本のメーカー、KAWAIが出しているソフトです。
いくつか価格によって、制限グレードがいくつかあるようです。
確か、1990年代からありましたが、上記の2つとは用途が少し異なり、楽譜を「スキャニング」することに重きをおいてきたソフトです。
現在バージョンは、「10」。
「4」の時は、スキャン精度が高くなくウーンなソフトでしたが、「9 PRO」を再び購入してみたところ、実用に耐えうるソフトになっておりました。技術革新はスゴイですね~。
スキャニングすることのよさは、そのあと、移調したり、加工したりしやすいことにあります。
一番の用途は、スキャニングをしてからの楽譜の移調。
フィナーレやシベリウスでは、スキャニングは、苦手ですので、スキャニング、楽譜の移調をしたい方は、このスコアメーカー一択となるでしょう。
ただ、楽譜を浄書したり、きれいな楽譜を書く、というのは、フィナーレやシベリウスと比べて圧倒的に苦手なようです。
私も、このスコアメーカーを一応使っておりますが、用途は、「スキャニング→移調」のみです。
それ以外、楽譜をちょこっと直したりとか、新しく楽譜をつくるというこ途に関しては、全く使っておりません。
けれど、日本のメーカーなので、日本人好みの操作性だと思います。
どのソフトも「住めば都」の操作性なのは間違いなく、慣れも必要ですね。
4、〔Dorico〕系列
・公式URL
2016年11月に発売予定の新しい楽譜作成を主用途とするソフト。
・優れた操作性と処理能力
・1つのファイルで複数の楽譜を管理できる
こんなところです。
以上、楽譜作成の主だった4つのソフトの紹介をしましたが、どのソフトも一長一短。
これから導入を検討される方にお勧めするとしたら
・安価である程度「きれいな」楽譜を書きたい
プリントミュージック(フィナーレの最廉価盤)
・楽譜をスキャニングで移調したい
スコアメーカー
・専門でがっつり
フィナーレorシベリウスorDorico
となるでしょうか。
自分が初めて楽譜をパソコンでつくるようになったのは、高2の時頃だったと思います。
段ごとにいちいち、ト音記号を書いたり、小節線を均等に引くために定規で長さを図ったり・・・など、音楽と関係ない作業は各段に減り、ずいぶんと技術革新が進み、便利になったものです。
出版されたような楽譜が書ける、見る人が分かりやすいという点で、やはり楽譜作成ソフトは、現在でも必須のアイテムです。
しかし、今でも、手書きで書くこともあります。思いついた旋律をすぐにメモする・・・という作業は、手書きが圧倒的に有利なのも、また間違いないこと。
デジタルとアナログのよいところを選択して使っていくのが、これからの時代でしょうね。