講師:粟飯原喜男 先生
場所:川越市大東文化センター
講座名:「日本や世界の音楽」のトリセツ
~民謡や世界の音楽をどう扱うか~
(内容)
1 教科書(掲載曲)から数曲選曲する
・掲載曲すべては扱わない。全曲、何分も聞かない。
・導入はどうするか。決めては、導入!
2 予測させない展開例を考える
・何だか知らないうちに全曲聴いてしまった、というプロセスを考察する。
3 関連曲を組み合わせる
・ジャンルン違う曲と全曲
4 表現教材と結びつける
5 〔共通教材〕の焦点化を図る
○教科書をつかって
・教芸の5年生は、「声」を、6年生では「楽器」を扱っている。
○比較聴取する方法。
・ビートルズをイエローサブマリンをAとします。 (B金沢明子イエローサブマリン音頭)
・次に聴くBは、Aといくつ違うか。指を折って数えましょう。(反応観察法)
Bを聴いて
・○○入ってたかなあ?もう1回聴いて確認しましょう。→言葉で処理しない。
・手拍子でやってみよう。タンタンタン・タタタンタタン
Aを聴いて
・手拍子「タンタンタン・タタタンタタン」や合いの手の言葉を入れてみる。
○You tubeなど今はいろいろあるが
・教師自身の選曲のチョイスの耳が必要である。
○鑑賞の授業の扱い
・活動を2つ入れる。( 歌唱20分+鑑賞20分 )
○鑑賞の授業構築の鉄則
・クラスの誰もが分かる発問を構築する。
・鑑賞は、何も持たせない。ワークシートもあとで。鉛筆も持たないで聴く。
・音楽に興味のない子は、聴く時間が長いとつらい。短いと喜ぶ。
・音源は、適宜止めながらでもよい。
・板書は、一考。音楽の流れ、授業を止めない。
・「どんどん聴きたい。」という子供たちを育てたい。
・鑑賞のA評価は、知識理解的なことよりも、音楽をより深く味わっていることがAである。
・鑑賞の評価の見取り方は、さまざまな方法、多角的にみないといけない。長期的に見取る。一人一人見取る方法を考える。
・鑑賞でCの子は絶対につくらない。
・「スピーカーに集まって」と近づいて聴くことは、よく聴く意欲につながる。
・映像を見せる、現物を見せることは、演奏を知る機会になるが、味わって聴くことにはならない。
・鑑賞は、「聴覚」から入る。「視覚」から入らない。
・ヘッドフォンで聴かせない。「大音量」で聴かせる。
・鑑賞でも子供たちに近づいて見取る、声かけする。
・教師が、演奏して聴かせるのと、音源と違和感がある。
○4年生「ソーラン節」の扱い
・ねらい かけ声(合いの手)に気をつけて、「ソーラン節」を味わう。
・〔共通事項〕、拍の流れ、旋律
・〔共通事項〕を基にして目標を設定する。どの鑑賞でも大切。
・授業の流れ
①「これから聴く音楽は、ハイ、ハイと聴こえます。聴こえたら挙手しましょう」
『かわいいベイビー、ハイハイ』(ここだけ聴く・厳密には、旋律)
②「次のハイハイは、どう違いますか?違いが分かったら挙手しましょう」
『ソーラン節』(ピーナッツ 日本民謡を歌う)
③「これから聴く音楽とBの音楽は、何が違いますか?違う数だけ指を折りましょう。」
『ソーラン節』(教科書)
④聞こえた声は?
「はーどっこい」「はいはい」「はーどっこいしょどっこいしょ」
⑤3グループに分かれて、みんなで声でやってみよう。
・聴こえてくる声に合わせて元気に声を出しましょう。
⑥「今聴いた音楽は、ソーラン節といいます。」
⑦「掛け声と歌に分かれて、歌ってみましょう。」
○5年生「春の海」
・共通事項 音色
・ねらい 楽器の音色に気付いて、知覚する・味わう。
【第一次】木琴とユーフォの音源を聴く。
・「これから聴く音楽は、いくつかの楽器の音色が聴こえてきます。楽器が1つだと思ったら指で1を楽器が2つだと思ったら2を指で出してください。」
・作曲者や曲名は、言わないで反応観察法でみる。
・「何種類か、先生と確かめてみよう。」(木琴がとかは言わない)
・楽器は、何でしょう。はっきりわかった人は○、なんとなくは、半○、分からない人は、お腹に手を。
・聴き取れないことは、教えてよい。( 木琴とユーフォニアム )
・木琴が聴こえたら右手で1を、ユーフォが聴こえたら左手で2を指で出してください。
↑丁寧に何度も、方法について練習していく。
・活動に変化をつけて、何回も聴く。(←見方によって評価も多角的に見える。)
・「右半分の席は、ユーフォが聴こえたら立ってください。左半分の席は、エアー木琴をやってください。」
・「気にいった方の楽器に分かれて座りましょう。一押しのキャッチコピーを考えましょう。」
・話合いの時も音楽をかける。よく聴きたいスピーカーの前に集まる。
・授業の最後に聴いた旋律を口ずさめるようにする。
♪ユーフォ おかぞのしょういちろう 木琴 にしくぼともひろ 「日本の歌」の中の「春の海」
【第二次】琴と尺八を聴く。
・「これから聴く音楽は、いくつかの楽器の音色が聴こえてきます。楽器が1つだと思ったら指で1を楽器が2つだと思ったら2を指で出してください。」
♪「琴が奏でるおめでたい調べ」 決定版(すぎうらみつる)