本日のテーマは、鍵盤ハーモニカ(以下、鍵ハモ)です。
鍵ハモは、教育用楽器として日本で発明されたと記憶しています。
音色自体は、バンドネオンやアコーディオンのような音色に似ていて、オシャレですよね。
鍵ハモは、和音や強弱の表現ができ、携帯もできる大きさという、鍵盤楽器と吹奏楽器のいいとこどりという長所があり、日本の学校教育においては、低学年の教科書に多く登場し、中学年以降リコーダーにシフトしていくという流れです。
そう、子供にとっても、私たち大人にとっても、低学年の楽器・・・わりと易しく、かわいらしい楽器・・・として、認識されているのが多いような肌感覚でが、鍵ハモのプロ奏者の演奏に出合って以降、鍵ハモの「魅力」を感じています。
ピアノを弾けても、左手は逆さから弾くことになるので・・・、結構難しい。
自作曲の演奏を撮ってみましたので、よかったらお聴きください。
鍵盤ハーモニカ両手弾きのための小品集 第1曲「そよ風の通り道」
この演奏は、鈴木楽器さんの鍵ハモ(アルト)のpro-37v3を使用しています。
このpro-37v3という鍵ハモと出合い、これまた衝撃でした。
pro-37v3は、テーパーリードとよばれるリード部分が売りらしく、このリードによってさまざまな表現の幅が広がっています。
具体的には、
・強弱の差、特に小さな音での演奏が可能。
・和音でも、全ての音が衰退しない。(他の楽器だと3和音がせいぜいで以降音が出づらくなる。特に広音域の場合、低音に音が持ってかれる。)
・少ない息の量での演奏が可能
・高色のきらびやかさ
・キーの押し具合
・細かいタンギング時の音の粒の明瞭さ
こんな点に優れていると感じました。
また、吹奏感とはそれますが、ストラップがしっかり付けられる仕様で、肩にかけるストラップひもが幅広で、持った時に安定しており、肩コリを感じさせません。
pro-37v3のストラップは本革がまかれ、本体筐体もオシャレ。
このストラップ問題は、例えば、サックスのネックストラップなどで代用している方も多いようです。授業では、子供の機種と違っては混乱することから、ストラップがつけられない32鍵の鍵ハモも使いますので、B.airのストラップを使って持ち手の部分にひっかけて、演奏します。
もう1つネックなのが、鍵ハモ専用の「両手弾きのための楽曲」というのは、存在せず、自分でアレンジしたり、つくったりしないとありません。
単純にピアノ譜を演奏すればよい、というものでもなく、左手の使い方は限られてくるし、ブレシングによって、右手のフレーズはきれいでも、左手のフレーズが切れたりしてしまう現象が起こってきます。
吹奏楽器は、コロナでかなり制約された楽器でしたので、吹奏楽器の「復興」も、今日の音楽教育にとって命題です。
そこで、少しでも吹奏楽器が賑わうよう、「鍵盤ハーモニカ両手弾きのための小品集」なるもの、24曲(全部の調を1曲ずつ書こうという作品集)の完成を目指しています。
個人的には、音楽を専門に教える先生方には、子供と同じ教具を使うという場面と、子供にあこがれを持ってもらえるよう、鍵ハモにこだわって、「いい音」を提供する場面、使い分ける必要があると感じています。