8月と研修会等で忙しい日々が続いてしまい、久々の記事投稿。
本記事は、コロナ禍を経たこれからの音楽教師・音楽科のスキルについてまとめたものです。
beforeコロナでは、音楽家のスキルとして重視される事は、音楽知識や技能、感性だったりしました。
この考え方は、今でも尊重されるところであるのは同意するところです。
ですが、withコロナを踏まえ、良さを他者に伝え広めたり、ICTを活用した音楽・動画編集をしたりすることができないと、せっかく持っているスキルを活かしきれないんだなと痛感しています。
こと、音楽文化に関して言えば、ここ20年でデジタル処理が飛躍的に進歩し、DTM(Desk Top Music)が、安く誰でも手に入るようになりました。「楽器は全く弾けないが、つくって楽しむ、歌えないがボカロに歌わせて楽しむ」ということも簡単になり、様々な音楽ユニットが個人的に活動し、YouTube等で発信、それがブレイクの理由になっていたりするわけです。
この状況に、音楽家・音楽教師は、今までのスキルだけでは対応しきれないと危惧しています。特に、採用試験等で課すべき技能は、従来の演奏や歌唱、といったスキル以外にも「音楽に特化したICTスキル」も求めてほしいと感じています。
「音楽に特化したICTスキル」を具体的にあげるとすると…
1,楽譜制作スキル
・手書きより断然早く視認性がよく演奏すくするために。
・データの保存に優れ、紙ベースより圧迫しないようにするために。
・2の音源の制作とも絡んでくるもの。
2,音源制作・編集スキル
・相手に伝えるラフな音源(デモテープ)の作成スキル
・それ自体に音楽的なリアリティのある音源の作成スキル
・録った音楽をより良くしたり、不要部分をカットするなどの編集(マスタリング)スキル
3,動画編集スキル
・音楽を伝えたり、教えたりする際の動画制作スキル
4,発信・配信スキル
・ソフト、機材を用いての伝わりやすい配信スキル
この4点が特に重要だと感じています。
最も、1・2の根幹となるのは音楽理論であり、3・4の根幹となるのは教育理論や人に伝える話し方・パーソナリティだったりすることも肝要な視点でしょう。
今日、クラシカル・アカデミックな音楽業界とデジタルミュージック・流行的な音楽業界の乖離があることも問題だと思います。どちらも「音楽」であること、そしてデジタルミュージックは「現代音楽」であるわけです。
1~4に特化したセミナーを開催したらどのくらいの方が集まるのかなー。まだ、ニッチな分野でしょうか。