今日の記事は、歌唱の新曲指導法についてです。
さて、歌唱教材の新曲指導法といえば、
(1)範唱CDを聴く。(楽曲との出合い。)
(2)教師の範唱、鍵盤などで音程を確認する。(つかむ。)
(3)歌えるようになる。(練習する。)
(4)表現を深めて歌う。(考える。実践する。)
おおよそ、こんな方法で上から下へ流れるプロセスが多いのかと思います。
かくいう私も、このプロセスをしばしば使っています。
けれども、毎回同じ型にハマって指導するよさもあれば、真新しさもないのかなと感じています。
このプロセスで思うことは、
・音取りの時間は、どうも子供が面白そうではない。
・教科書のめあては、子どもが見つける課題とは必ずしも一致せず、意欲がわかない。
・「表現を深めて歌う」っていっても、何度も何度も歌ったり聴いたりしているうち、子どもがうすうす楽曲の表現について気づいてしまってる。
・「考える」活動が最後であるため、楽曲への新鮮味が薄れている。
・教師が、こうやって歌ってみようと提案、指導することが多くなってしまう。
そこで、これらの課題に対処すべく、最近試している指導法は、
(1)範唱CDをBGMに聴きながら、音楽遊びを行う。例えば、
・1拍目で立ったり座ったり/挙手したり手を下げたりする
・音楽に合わせてボディパをする
・指揮をする
・ひとり椅子取りゲームをする。(曲が終わりそうになったら座る。歩く時は、拍に合わせて。)
・友達と手合わせや手拍子をする。
・動作化する。
(2)範唱CDを聴いて、楽譜(教科書)にどの部分をどのように歌ったらよいか、楽譜に○をつける、楽譜に文を書いて歌い方を説明する(個人で見通しをたてる活動)
(3)範唱CDを聴いて、どの部分を選んだか、選んだ部分が流れたら立つ。
・「聴くだけでもいいし、歌ってもいいからね。」と伝えるも、歌っている子を必ず見つけてほめる。
(4)個人で考えた意見をもとに友達と教科書を見せ合う、クラスで発表し合う。(グループやクラスで共有する活動)
(5)歌ってみる。
(6)(4)で出なかった内容については、適宜指導を入れて表現を仕上げる。
さて、この指導法のポイントは、
・(5)の歌う活動までにすごい回数、聴いており、音取りの時間が、ほぼいらなくなる。
・子ども達が楽曲をどのように歌ったらよいか、はじめから見通しやめあてを考えるようになる。
・「考える活動」が、最初の方にあるため、楽曲に対しての新鮮味があり、楽曲をよく聴こうとする。
・聴いて考える、曲を分析する力が育つ。
ということです。
結局最後は、指導が必要な場面もあります。けれど、(4)で、もし意見が十分に出たとしたら、指導の時間が少なくてすむかもしれません。
以上、ふと思いついた「範唱CDをフル活用した歌唱新曲教材の指導例」です。
最後に。
子ども主体の歌唱活動とはなんぞや。
どうやって音取りするか。
子ども達に不人気の歌唱共通教材の指導は、どうしたらよいか。
これらの3つの疑問は、今、私を悩ます課題です。