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常時活動の在り方について


*7/18記後、8/10一部

8月11日にスズキ楽器のワークショップで和智宏樹先生と平野次郎先生に混ざって提案をさせていただくのに先立ち、自分自身の常時活動のあり方について考えてみた。

*常時活動とは、音楽科の授業における「導入」での活動、音楽の世界に誘う活動を指す。単に前時までの「復習」と違う。

先生方によってたくさんの見解があると思うが、私は、「常時活動」の型を以下の3つに分類している。

(1)コミュニケーション力伸長型

(2)感性伸長型

(3)技能・知識獲得型

これは熱田庫康先生の見解がベースとなっている。

それぞれ、具体的な例を示そう。

(1)は、どちらかというと、音楽うんぬんよりも、ペアリングやグルーピングに重きをおいたもの。新学期が始まって間もない頃は音楽を重視するよりも、仲間づくりを意識することのほうがよい授業につながる。音楽は、人と関わることが多い科目なので、常時活動でコミュニケーション感覚を補うことが重要となるんだなと最近つくづく思う。

(2)は、感性。

感性は、感覚にも似ている。リズム感、音高感、拍感、和音感、フレーズ感、終止感、開始感・・・など、とにかく音楽の要素の中で「なんとか感」に関することである。この「なんとか感」は、一朝一夕に獲得することは難しく、また子供時代に育てないと大人になってから育てるのが難しい感覚でもある。しかしながら、技能がなくても、知らなくても、まねてできることも多い。リズム打ちなどは、リズムの仕組みが分からなくても模倣するここともできるのは、感性によるものだと思う。そして、感覚の習得には、説明(言葉)による場合と体感(による場合があり、言葉と体感を行き来することで感覚が育つ。

(3)は、技能。

技能は、器楽だとイメージしやすい。リコーダーでは、サミングの「技能」、低い音が裏返らないようにするため指穴をしっかりふさぐ「技能」、速い曲でも運指がついて回る鋭敏な運指の「技能」。歌唱なら、頭のてっぺんから高音を響かすための裏声をコントロールする「技能」、伴奏や周りの音を聴いて音程を合わす「技能」など。知らないとできないこと、知っていた方がより豊かに音楽と関われることが、技能・知識となる。

そして、この常時活動を行うあり方をさらに3つに分けると、

(1)本活動補助型=短期的

(2)題材関連型=中期的

(3)通年常時活動型=長期型

余談となるが、「常時」という言葉がやや語弊を生む気がしてならない。

教師なりたての頃は、常時=通年=毎回というようなイメージを持ちがちで、端的にいうと「授業の初めは、必ず歌から入るのか。」と思ってた時期があった。

いまだに多くの先生方の常時活動をお見掛けしても、本時が鑑賞だろうが音楽づくりだろうが、歌から入る先生は多い。(それほど、歌は大切だし、歌いたい子ども達を育てるのは、音楽科として使命感・・・でもある。終業式とか必ず行事で歌がついて回るので)

しかし、最近の見解は、(1)(2)となるような常時活動になるようにと心掛けている。

例えば、本活動のねらいが音楽づくりで「繰り返し」に気をつけさせて音楽をつくらせたい時を考える。本活動で繰り返しを「説明」してからつくる、でも授業としては成立するのだが、常時活動で何気なく、「あぁ今の活動は、繰り返しが楽しいね!繰り返しってあると気持ちいいね!」とあらかじめ、本活動の内容の伏線をはっておければ、本活動で使ってみよう、という気になるんじゃないか、、、と考えるからである。

もちろん、(3)の視点の時も。音楽会前、リコーダー・歌唱力向上月間などそれにあたる。

とにかく、常時活動といいながら、常時「同じ」活動になることは決してない。授業ごとに変える。そのスパンが、1か月同じもあれば、2回で終了の時もある。

また、高学年は時数がないので、悠長に常時活動などせず、いきなり本活動という場合もある。

現在、個人的に研究していることは、〔共通事項〕別、〔常時活動〕。この共通事項を扱う時には、この常時活動!というレパートリーをつくること。しかし、常時活動のレパートリーには、なかなか、ムラがある。感覚的に、「拍の流れ」に系統立てられることが多い気がする。〔共通事項〕を常時活動で全制覇、いつできるだろうか~。


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