12月の研究会の備忘録です。公表できることだけ・・・。
12月1日 音楽の授業をつくる会 第26回例会
【講師】粟飯原喜男 先生
【内容】日本や世界の音楽の扱い方
【備忘録】
・何か知らないうちに、全部聴いていたというプロセスが大事。
・〔共通事項〕の焦点化、多くても2つまで。
・新学習指導要領的には(ア)味わう部分 (イ)知覚の2つに整理
・「だれもがわかるB基準」を知覚の聴き取りで設定する。特に初発問。
・第1次は感受から入らない。「この曲はどんなイメージ?」の初発問は、避ける。
・「知覚から感受、感受から味わう」プロセスを構築する。
・子供が感受できているのか、ということは本当に分からない。
・本物の楽器は見せない。
・板書は精選。
・反応観察法で反応が鋭敏な子を探す。
・答えは口で説明せず、音源で必ず確認する。
・ボリュームは大きめに。スピーカーで大音量で聴く経験は家庭にない。
・聴いている子どもをよく観察する。
・間やアイコンタクト、教師のしぐさや表情の大切さ、
・フェードアウトまで耳を傾ける子は鋭い。
・主体的、対話な態度を生む声掛け。
「Aさんと同じことに気づいた人はいますか?」
「スピーカーの近くで、細かい部分まで聴きたい人はいますか?」
【使用音源】
・「ワシントン広場の夜は更けて」(バンジョーの曲)
・「インターナショナルティーフティーフ」
・「AMEN」
12月15日 子どもファーストの音楽授業づくり
【講師】平野次郎 先生
【備忘録】
・音楽は技能によるところがあるが、「誰もが楽しめる時間」をつくるために何ができるか。
・「楽しい」多様化を増やす。
演奏自体が楽しい
一緒に活動するのが楽しい
発想すること、考えることは楽しい
体を動かすのが楽しい・・・
・教師の役割を増やす。
「教える」という役割の他には・・・?
新学習指導要領でさらに求められる教師の役割。
・『ともだち』(作詞作曲/桜田直子)
(1)歌詞の聴き取りから入る。
(2)構成を聴き取る。
(2)場面ごとの伴奏の雰囲気を見つける。
・『春が来た』
(1)ピッタリ歌い
(2)何回来た?
(3)一番盛りあがりはどこだろう?
・授業中に生かせる声掛け
「近くの人でよかった人/すごい人いましたか?」
この声掛けで、自分だけではなくて、周りにも気をつけるようになる。自分では発表しづらいけど・・・、という子がほとんどだが他薦を受けたら、発表しやすい児童もいるかもしれない。もちろん、強要や、やらせにならないよう配慮が必要。
「困っていることがある人?」「どう動けばいいか分からない人」
この声掛けは、教師が、ある程度説明した後に聞くようにする。児童の多くが手を上げるようならば丁寧に説明を加えるべきだが、児童が次の活動を理解している場合、それ以上の説明は時間の無駄となる。
「え、どういうこと?」「先生、それわからないんだけど」「みんなにも教えてあげて」
教師は、わざと知らないふりをして、聴き出す。他の子に広げる。つなげる。
12月28日 音楽ラボラトリー研究会 第24回
【講師】河崎秋彦 先生
【内容】1、郷土の音楽『こきりこ』の教材化、指導法
2、体を動かす鑑賞指導法の体験
【備忘録】
1、民謡『こきりこ』
・「郷土の音楽」は、暮らしや伝統とセットで扱い、音楽だけを焦点化しない。
・「こきりこ」を踏み台に学校の身近な郷土の音楽に広げられるとよい。
・「郷土の音楽」では、唱歌や動作、所作も活用していく。
・「郷土の音楽」でも、〔共通事項〕音楽の諸要素を活用することに変わりはない。
・わざと不便、不自由な学習環境は、児童の主体性や対話性、協働性を生む。
例えば、楽器は人数の半分だけにする、など。
・使っている楽器を1つずつ確認する。
こきりこ(木の棒)棒を左右で回転させて拍をとる。音源では全く聴き取れない!
たいこ
ぼうささら
びんささら 108枚の板で煩悩・悪霊を退治する。
しのぶえ
くわがね
つづみ
・発祥と歴史
富山県五箇山。日本一古い民謡と言われていたので古くから伝承されているのかと思いきや昭和5年詩人の西条八十が五箇山を訪れなければ、伝承は途絶えていたかもしれないとされる。いろいろなルーツがあるも、現在教材化されているのは、最後の伝承者「山崎しい」さんのオリジナルとなる。
・「こきりこ」の唄を聴いて旋律の音の動きの特徴(産み字、節回しなど)を文字や図形、記号で自由に書きとらせる。
2、体を動かす活動
○「タイプライター」を用いた音楽遊び
(隊形)4~6人程度で丸くなる。
(用意)ボールくらいの大きさで回しやすいもの
(ルール)チンの音が聴こえたら隣の人にボールを渡す。
(音源)
・BBCコンサート交響楽団 回すには速度がちょっと速い。
・セントルイス交響楽団 スラットキン指揮 ちょうどよい。
・アンダンs-オンの自演は、やや速い。
○共有化のためには
・可視化 文字や記号、ボールなどの具体物、体の動き
○何度も聴くために
・様々な視点や聴き方で
・音楽の背景から
・奏法から
○『白鳥』
・まず指導計画を立てる際に考えることは、曲の魅力。何を聴き取らせるか〔共通事項〕の焦点化。
・評価
指導に生かす評価 声掛けや助言、即時に
記録に残す評価