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卒業に寄せて

  • matsunaga makoto
  • 2020年12月17日
  • 読了時間: 3分

この度、『教育音楽』(2021年1月号小学校版)に拙作『卒業に寄せて』(2部合唱曲、作詞作曲の卒業ソング、作品No,59作品目)を掲載していただける運びとなりました。


詳しくは、教育音楽1月号をご欄下さい。

また、最近では、デモ音源が、教育音楽のYoutubeから拝聴できます。

この機械音源は、私自身でピアノ演奏・打ち込みしたものです。

機械があれば、聴いていただけたら幸いです。


以下、掲載によせて、書かせていただいた紹介文の一部です。

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本作を書いたのは、令和元年12月のことです。卒業生に贈ろうとつくったものの、様々なことが重なり、本作が当該卒業生の目にふれることはありませんでした。15小節目の歌詞に認めましたように「当たり前のような毎日」こそが、かけがえのないものであることに改めて気付かされたとお感じになっている方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。


私は、毎年本誌付録に掲載される新曲の卒業ソングを見ると「今年も卒業の時季がやってきたんだな。」と季節が一巡りしたことを感じます。いつも6年生が「卒業生」になっていく姿には、目頭が熱くなるものがあります。けれども、なかなか気持ちが入らない6年生を見かけて気をもんでしまうことも。それでも、行事や歌・掲示・手紙…様々な方法により、卒業生の「心のスイッチ」は、少しずつ?突然?知らないところで?卒業間際に?押されていくんだと思います。コロナ禍においても、全国の卒業生の「心のスイッチ」がたくさんONになることを願い、本作を提供させていただくことにしました。以下、ご参考に!

●時間

演奏時間は、約3分30秒です。4分越えの卒業ソングと比べるとコンパクトな長さであることから、式全体の時間や練習時間の短縮化が図れます。


●各部分のヒント

・歌い出しまで

前奏では、ピアノがサビを縮めた旋律をしっとりと語り始めます。4小節目にかけて高まった気持ちを歌が引き継ぎますが、この小節のrit.は、特にこだわって記したものです。日めくりカレンダーの「卒業式まであと○日」という数字がふと心に留まって…映画のスローモーションのワンシーンのように、歌い出せたら最高!

・10小節目

桜のない学校や3月にまだ雪深い学校は、「景色」と読み替えて下さい。

・11小節目の和音

 ここまで、歌・伴奏ともに臨時記号なしで進んできましたが、初めて臨時記号の#が伴奏に登場して、何かを予兆させるような和音(G♯m7)がBへと誘います。普段「間に合わせに」といった意味で使われる臨時という言葉。臨時記号は、「臨時」ではなく「特別」と解釈すべき場合があると私は思っています。今までとは違う音を特別に表現するために記号がついていると解釈してみて下さい。

・13小節目から

Bからは、短調になって雰囲気が一変します。13~14小節目は、まず一定のテンポで練習し、歌詞が十分揃うようになったら、速さを揺さぶってみて下さい。ロマン派以降の音楽に見られるような速さの揺らぎは難しい表現ですが、Bの味が滲み出てくると思います。

・Cから

 長調と短調の差も助けて、サビは、Bの感傷的な雰囲気から輝かしい雰囲気に切り替わります。大切な言葉を十分伝えられるように、Sop.と Alt.の掛け合いを多用しました。

・51小節目

molto rit.を生かして歌を壮大に締めくくれるよう、カンニングブレスを使うなどして「寄せて」が痩せた声にならないように。

・後奏

52小節目は、サビの冒頭と関連する旋律を足早に2回繰り返すことで楽曲を振り返りながらも、「新しい世界への旅立ち」を表現するためにサビとは異なる和声をつけました。最後の小節の16分音符は、rit.をかけることなく決然と。まぶしい光に鳥が飛び込んでいくようなイメージで。



 
 
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